業務改善とは？すぐに使えるフレームワークや進め方を解説！
業務効率化を実現するには、日々の業務を見直してより効率的な方法を模索することが求められます。しかし、目的や計画がない状態で取り組むと、思うような成果をあげられない可能性があるのです。
そのため、「業務改善を進めたいが、方法がわからない」と悩む担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで、今回は業務改善に役立つフレームワークや進め方を中心にご紹介します。
- 日々の業務における無駄な作業を削減したい
- 業務改善の正しいプロセスを実践して、職場環境の改善につなげたい
- 効率的に業務改善を進める方法があれば知りたい
という担当者はこの記事を参考にすると、業務改善に使えるフレームワークやプロセスがわかり、自社の課題点を把握しながら業務改善につなげられます。
目次
業務改善とは
業務改善とは、現状の業務フローや課題点の見直し、業務効率化や職場環境の改善を図ることです。
企業が持つリソース（ヒト、モノ、カネ、情報）には限りがあるので、過剰なリソースを割いている業務がある場合、早急に問題点を改善しなければなりません。
そして、業務改善の最大の目的である「利益の最大化」に向けた指標として、QCDという考え方があります。QCDとは、Quality（品質）Cost（コスト）Delivery（納期）の3つの要素の頭文字を合わせた言葉です。
商品やサービスを高品質かつ低コストで、納期内に仕上げることによって、利益向上に結び付くという発想です。QCDのフローを妨げる原因を特定・解消することが、業務改善の基本的な流れとなります。
業務改善を実施する目的とは
以下では、業務改善に取り組む代表的な目的を3つ紹介します。業務改善には現場メンバーの理解が前提になるので、推進者側で目的を明確にしておくことが大切です。
コスト削減
業務改善を実施する1つ目の目的は、「コスト削減」です。
たとえば、これまで共有すべき情報を紙で配布し、対面で会議を実施していた状態から、ITツールで情報を管理し、ツール上で内容を確認できる仕組みを整備した場合、「紙の印刷にかかる金銭的コスト」と「会議にかかる時間的コスト」の両方を減らせます。
とくに、アナログな情報共有が浸透している企業では、業務そのものが非効率であることに気づきにくいのです。そのため、まずは自社における「アナログな情報共有・管理」を見直すことが、業務改善の第一歩となります。
職場環境の改善
業務改善を実施する2つ目の目的は、「職場環境の改善」です。
業務改善によって作業の無駄を省くことで、結果として労働時間が減少し、社員の身体的・精神的な負担の軽減にもつながります。さらに、企業側にとっても、残業代をはじめとした人件費の削減を実現できるのです。
このように、職場環境の改善につながる業務改善は、社員と企業の双方にメリットのある取り組みです。
属人化の解消
業務改善を実施する3つ目の目的は、業務の標準化による「属人化の解消」です。
代表的な例として、「マニュアル」や「FAQ」の作成が挙げられます。仮に、ある業務を特定の社員しか対応できない場合、担当者の不在や退職時に引き継ぎがうまくいかず、業務の停滞やトラブルを招くリスクが高まるのです。
そこで、マニュアルやFAQを整備すると、誰でも同じ品質で業務を遂行でき、属人化や特定の社員に負担が集中する事態を防げます。また、疑問点が生じた時もマニュアルを参照すれば自己解決できるので、教育の負担軽減にも効果的です。
業務改善に使える4つのフレームワーク
業務改善に取り組むうえで、まずは自社業務の改善すべき点を見つけなければなりません。そこで、フレームワーク（事象に対する分析や戦略を考えるための枠組み）を使うのが効果的です。
以下では、自社業務の課題抽出に役立つフレームワークを4つご紹介します。
（1）PDCAサイクル
PDCAサイクルとは、「Plan（計画）、Do（実行）、Check（評価）、Action（改善）」の頭文字をとった言葉です。PDCAの4つのステップを繰り返すことで、反復的に業務改善を進め、継続的な改善が可能になります。
- Plan/計画
- Do/実行
- Check/評価
- Action/改善
新たな事業や施策を実施するときは、目標や現状を踏まえた適切な計画を立てる必要があります。また、現実的に可能な期限、内容にとどめる点がポイントです。
Planで検討した計画内容を実行します。効果を正しく測定するために、Planで考案した施策は過不足なく実行ましょう。
実行した内容が計画通り進んだかを評価します。とくに、計画通りに進まなかった場合には、その原因を客観的に分析することが重要です。
評価結果を踏まえ、今後どのような対策や改善をするべきか検討します。得られた知識やノウハウを次のPlanに落とし込むことで、業務の質や効率を継続的に高めるサイクルを確立しましょう。
このPDCA法は、さまざまな業務の基本となるフレームワークであり、問題に対して論理的かつ計画的に取り組むうえで必須です。
（2）ECRS
ECRSとは、「Eliminate（排除）、Combine（結合）、Rearrange（交換）、Simplify（簡素化）」の頭文字をとった言葉です。
製造現場における適切な課題発見と効果的な業務改善の手法として考えられたもので、現在ではその有用性からさまざまな業界で広く用いられるようになりました。ECRSはそれぞれ以下のような指標で、業務改善のための課題を抽出します。
- Eliminate/排除：不要な業務を排除できないか
- Combine/統合：複数の業務をまとめることはできないか
- Rearrange/変更：業務の場所や流れの入れ替えで、効率を上げられないか
- Simplify/簡略化：業務をさらに簡略化できないか
PDCA法と比較して、ECRS法はより業務改善に着目したフレームワークです。
（3）MECE
MECE（Mutually Exclusive and Collectively Exhaustive）とは、ある事象の要素を「漏れなく、重複なく」抽出し、問題解決へ導くためのフレームワークです。直訳は以下の通りになります。
- Mutually：互いに
- Exclusive：重複がなく
- Collectively：集合的に、全体として
- Exhaustive：漏れがない
たとえば、売上は「成約数×平均顧客単価」で表されますが、それぞれを「新規契約数と継続契約数」「月額基本料金とオプション料金」のように、重複・漏れなく細分化すると「どの要素に関わる問題を解消すべきなのか」が正しく導けるようになります。
とくに、問題点に対して正しく原因を特定するときに活用できるフレームワークです。
（4）KPT
KPTとは、業務や取り組みの振り返りでよく使われるフレームワークであり、それぞれ以下の頭文字から成り立っています。
- Keep：継続してやるべきこと
- Problem：解消すべき問題
- Try：新たに改善し実践すべきこと
とくに、開発現場におけるアジャイル開発（工程を機能単位に区切って小規模なサイクルで進める開発手法）で多く用いられるフレームワークです。しかし、業界業種問わず活用でき、短いスパンでKPTを実施するのでスピード感を持ってビジネスを促進できます。
4ステップ｜業務改善の具体的な進め方
以下では、実際にどのようなプロセスで業務を改善していけばよいかを解説します。以下の手順を用いると、業界業種問わず、現状の課題発見から解決策を導くまでのプロセスを効率化できます。
ステップ1｜業務の見える化
まずは、業務の見える化を実施し、曖昧になっていた業務フローやリソースの重複箇所などを明確にします。
業務フロー全体で遅れが生じているなど、全社的な問題を見つけるには「各業務をタスク単位で細分化する」のが有効です。タスクを要素分解することで、業務の見える化だけでなく、個別業務へのアプローチが可能となり、具体的な対策も練りやすくなります。
また、見える化によって整理された業務フローや、社員が持つノウハウ・ナレッジなどは、放置せず随時アップデートすることが重要です。過去の情報を蓄積しながら、最新の内容を社内で共有することで、継続的な業務改善につながります。
ステップ2｜問題の洗い出し
次に、見える化した業務の中から問題を洗い出し、「気づき」を得やすくします。
担当者や管理者目線では、現場で発生している問題に気づけないことがあります。実際の現場では、「問題の合理的な解決策は把握しているが、実践できていない」というケースが少なくないためです。
そのため、社員の意見を聞くときには「合理的になりすぎず、定性的な現場の声もヒアリングする」ことが重要です。現場の声を聞きながら問題を洗い出すことで、現場目線でしか発見できない「気づき」を見つけ出すことができます。
ステップ3｜計画の作成と実行
業務の見える化や現場からのヒアリングで抽出した課題をもとに、具体的な計画を立てて実行に移します。
計画を立てるときは、実行可能な範囲を超えないよう、社員の稼働状況やスキルを把握しておくことが重要です。たとえば、繁忙期に業務フローを大幅に変更するのではなく、負荷の少ない時期に試験的に導入するなど、現場の状況を踏まえた計画が求められます。
また、施策の効果を定量的に分析するためには、あらかじめ実行期間を設定しておくことがポイントです。
ステップ4｜評価・振り返り
最後に、実行した施策によってどのような成果が得られたのかを分析・評価します。
評価の段階では、客観的かつ合理的に判断することが大切です。良好な成果が得られた場合は、計画から実行までのプロセスが正しいことがわかる一方、成果が芳しくなかった場合は「なぜ施策が上手く機能しなかったのか」を分析する必要があります。
また、課題の洗い出しから評価までのプロセス完了後は、「ナレカン」のような情報蓄積に特化したITツールを使うと、ノウハウとしてデータを蓄積できます。蓄積したノウハウを共有することで、別の課題が生じたときにも活用できるのです。
【必見】簡単に日々の業務改善ができるツール
以下では、簡単に日々の業務改善ができるツールをご紹介します。
業務改善において、まずは業務の見える化を進め、曖昧になっている業務フローや不要な作業を整理することが重要です。そこで、「情報をわかりやすく記録・共有・管理できるナレッジ管理ツール」を導入すれば、業務改善の基盤を整えられます。
また、業務改善の過程で得られた社員の意見や分析などの情報は、ノウハウとして他の業務へ活用できるため、社内全体でいつでも活用できるよう管理しておくべきです。ただし、情報が増えるにつれ探す時間がかかるため「検索性の高いツール」を選びましょう。
結論、業務改善の実現には、社内のあらゆる情報を共有・管理でき、超高精度の検索機能で必要な情報をすぐに活用できる「ナレカン」が最適です。
ナレカンでは、「記事」に業務マニュアルやナレッジ、分析結果などを蓄積し、社内全体へ共有できます。また、“ヒット率100％”の検索機能によってほしい情報にすぐにアクセスできるため、蓄積したノウハウを効率的に活用しながら業務改善を遂行できるのです。
社内情報の一元管理で業務改善を促進する「ナレカン」
「ナレカン」｜社内のナレッジに即アクセスできるツール
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業務改善の概要やフレームワーク・進め方まとめ
ここまで、業務改善のメリットから具体的な業務改善の方法までを解説しました。
業務改善には、コスト削減や職場環境の改善などのメリットがあるため、全社で積極的に取り組むべき施策です。また、PDCAサイクルをはじめとしたフレームワークを活用すれば、情報を整理しながら業務改善のプロセスを進められます。
しかし、業務改善に成功しても、改善事例や解決策などを管理・共有しなければ、その効果を企業全体に波及させることはできません。そこで、「情報管理ツール」を導入して、業務改善に関する情報管理・共有を効率化させましょう。
ただし、情報を探すのに手間がかかると非効率になってしまうため、高精度の検索機能を備え、必要な情報にすぐアクセスできるナレッジ管理ツール「ナレカン」が最適です。
無料の導入支援も受けられるので、ぜひ「ナレカン」を使い、誰でも業務改善のプロセス管理・情報共有が簡単にできる環境を構築しましょう。
