人事部がやるべき仕事とは？業務内容や役割、抱える課題を紹介
”人事部”と耳にすると、採用活動をイメージする方が少なくありません。しかし、実際には採用活動のほかにも、組織が滞りなく活動していくための業務を広範囲で任されている部署だと言えます。
そのため、なかには「人事部がどのような仕事をしているのかイメージが掴めていないので、詳しく知りたい」という方もいるのではないでしょうか。
そこで今回は、人事部がやるべき仕事内容や役割を中心に紹介します。
- 人事の業務内容について具体的なイメージを掴みたい
- 人事部に求められるスキルを知り、身に着けたい
- 人事の業務を円滑に進めるための方法を教えて欲しい
という方は今回の記事を参考にすると、人事部の仕事内容や流れが分かるほか、企業が抱えている人事部の課題も押さえられます。
目次
企業における人事とは
”人事部”と聞くと、採用活動や人事異動に関する業務などのイメージが強いです。しかし、実際のところ、人事部の仕事内容は多岐にわたります。
そこで以下では、企業における人事部の役割ややりがいなどを紹介するので、「人事部の仕事内容について具体的なイメージを掴みたい」という方は必見です。
人事部の役割
人事部の役割とは、組織に属する「ヒト」に関して入社から退社までの一連の業務を担い、”環境”や”制度”を整えて採用したヒトが働きやすいようにサポートすることです。
つまり、人事部の役割は、優秀な人材を「採用して終わり」とはなりません。その後も、採用した人材が活躍できるように人材開発を実施したり、また活躍した人材が適切に評価されるように制度を策定したりしていく必要があるのです。
以上のように、人事部では、組織を支える「ヒト」に多く関わり、延いては組織づくりに貢献していく仕事だと言えます。そのため、人事部としての役割を全うしていくには、経営状況や経営方針を十分に理解していくことが重要となるのです。
人事部のやりがい
人事部のやりがいは、さまざまな場面で多くの「ヒト」と関われるため、ヒトに与える影響力が大きいところにあります。
たとえば、採用業務では、応募者と直接やりとりをする場面が多くあります。なかには「人事部に好感を持った」という理由が決め手となり、入社を決意する人がいるほどであるため、「会社の顔」として責任感のあるポストだと言えます。
また、昨今では、働き方改革に伴い、リモートワーク体制を導入したり、育児・介護による休職制度を充実させたりしていく取り組みが欠かせません。そして、これら「組織づくり」に深く携わり、ヒトに貢献していける点も、人事部としてのやりがいとなるのです。
人事部と総務部の違い
人事部と総務部は「※バックオフィス業務」としては同じ括りになりますが、業務範囲が異なります。
たとえば、人事部では「ヒト」に関する管理が中心となる一方、総務部では「ヒト・カネ・モノ」といった経営資源全般を管理します。具体的には、総務部の仕事内容には「来客対応・株主総会や社内行事の運営・備品管理」などが当てはまるのです。
ただし、人事部が人材を採用し、その内定者が使うPCや制服などを手配するのは総務部となるため、部署を跨いだスムーズな連携が不可欠になる点を押さえておきましょう。
※表だって顧客とは関わらず、企業活動を後方から支援する業務の総称。
人事部の業務内容とは
以下では、人事部の業務内容の詳細を紹介します。人事部の仕事内容は、大きく分けて5つあるため、それぞれの違いを理解しておきましょう。
（1）新卒・中途採用
1つ目の業務内容は、新卒・中途採用に向けた活動です。
中途採用が通年実施されているのに対し、新卒採用では以下のスケジュールで進みます。
- 3月～：新卒採用に向けた情報解禁
- 4月～5月：学生向けの会社説明会の実施
- 6月～8月：サマーインターンの選考・実施
- 10月～：内定者フォロー選考
上図からも分かるように、新卒採用では学年ごとに、採用活動を実施しています。また、採用活動を実施するにあたっては、前年度の採用人数を考慮したうえで次年度の採用活動の予算を組む必要があるため、業務を通じて「計画性」が鍛えられると言えます。
（2）人材配置・キャリア開発
2つ目の業務内容は、人材配置およびキャリア開発です。
人事部では、各部署の部門長と連携して、人事異動をするにあたって希望する人材（経験値やスキル、実績）や人数を決定します。さらに、人材配置を決定するうえでは、ほかの社員とのバランスも考慮しなければならないため「人材を見極める力」が養われます。
また、人事部では、新入社員が基礎的なビジネスマナーを学ぶための研修や、中堅社員向けには資格獲得に向けた教育プログラムの開催も担います。ただし、これらにも費用がかかるため、見合った効果が得られるか十分に検討していくことが大切です。
（3）評価制度の策定
3つ目の業務内容には、評価制度の策定が挙げられます。
組織に長く属してもらうには、社員がモチベーションやエンゲージメントを維持できる環境がなくてはなりません。とくに、社員の業績に対する評価は支給する報酬、つまりは”やる気”に影響するため、公正かつ納得感のある評価制度の策定が不可欠です。
ただし、実際に社員を評価していくのは、人事部ではなく所属長が担当するケースが多いです。そのため、人事部の仕事は、”あくまで評価制度を策定すること”である点を理解しておきましょう。
（4）労務管理
4つ目の業務内容は、労務管理です。
労務管理として含まれる内容はさまざまで、具体的には以下の要素が挙げられます。
- 給与に関する管理：給与・賞与計算、年末調整、企業年金などの事務的手続き
- 勤怠管理：時間外労働時間数、休日労働時間数、早退などの管理
- 福利厚生の管理：育児や介護支援などのサポート
- 入社・退職に関する管理：雇用契約書の作成や社会保険・雇用保険の手続き
労務管理は、ほかの業務内容と比較して数字を多く扱うため「正確性」が身についていく仕事だと言えます。また、各社員の給与明細や住所など、個人情報を目にする機会も多いため、安全な情報管理には細心の注意を払いましょう。
【担当者必見】人事部が抱える課題と解決策とは
以下では、多くの企業が抱える「人事部の課題」と「その解決策」を紹介します。
人事部の業務内容は多岐にわたるため、担当者の負担は大きいです。そのため、そもそも人事担当者の教育が十分にできていないと課題に感じている企業は少なくありません。
仮に、教育が不十分な社員に業務を一任してしまえば、適材な人材配置ができず、さらに”採用してもすぐに辞めていく悪循環”を生み出すことにつながりかねません。そのため、まずは業務の質を底上げするために「マニュアル」を整備し、部署内の教育を見直すことから始めましょう。
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企業における人事部の役割や仕事内容、課題と解決策まとめ
ここまで、人事部の役割や仕事内容を中心に紹介しました。
人事部とは、組織の支柱である「ヒト」を管理する、組織に不可欠な部署だと言えます。そして、組織が滞りなく活動していくために、優秀な人材を採用したり適材適所に人材を配置したり、人材が流動しないように環境や制度を整備していくことが求められます。
しかし、人事部では業務負担が大きく、そもそもの「人事部に所属する社員の教育に時間を割けてない」という企業も多いです。そのため、人事部の業務を遂行できるように、まずはマニュアルなどを整備して、部署内の人材育成を徹底する必要があるのです。
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