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なぜOJTがうまくいかない?属人化による課題と解決策 

更新日:2026年10月20日
教育・OJT

OJTの属人化による課題には、指導者の経験や知識によって教育内容が偏ることや、新人の評価にばらつきが生じることなどがあります。また、OJTがうまくいかない原因は属人化だけでなく、育成目標の曖昧さや指導時間の不足なども考えられます。

実際に、「各支店でOJTを実施しているのに新人が思うように育たない」「いつも同じ社員が指導しており、評価もその人任せになっている」と悩む管理職の方も多いのではないでしょうか。

ただし、OJTそのものをやめる必要があるとは限りません。まずは教育内容や評価基準、指導ノウハウの共有状況を確認し、自社のOJTに改善が必要かを判断することが重要です。

そこで今回は、OJTがうまくいかない原因や属人化による課題、改善の必要性を判断するチェック項目と解決策を解説します。

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なぜOJTがうまくいかないのか?

以下では、OJTがうまくいかない4つの原因を解説します。新人が思うように育たない場合は、指導者の能力だけでなく、教育の進め方や管理方法に問題がないか確認することが重要です。

(1)教育内容や育成目標が明確になっていない

OJTで教える内容や育成目標が明確になっていないと、指導者が何をどこまで教えるべきか判断できず、新人の成長につながりにくくなります。

たとえば、営業部門で「3か月後までに独り立ちする」という目標だけを設定しても、必要な知識やスキルが明確でなければ、指導者によって教育内容が異なります。その結果、商品知識は身についていても、顧客への提案方法を十分に習得できていないケースも考えられます。

そのため、単に独り立ちを目指すのではなく、いつまでに何ができるようになるべきかを具体的に決めることが重要です。

(2)指導者が通常業務を抱え、十分な教育時間を確保できない

指導者が通常業務と新人教育を兼務している場合、教育に十分な時間を確保できず、OJTがうまく進まないことがあります。

たとえば、営業部門では、指導者自身も顧客対応や商談を担当しているため、急な問い合わせやトラブルが発生すると、新人への指導が後回しになりがちです。その結果、新人が疑問を感じても質問できなかったり、業務を教わる機会が不足したりする恐れがあります。

そのため、指導者の通常業務を調整して教育時間を確保するほか、新人が指導者に頼らず学べる環境を整えることも重要です。

(3)新人の理解度に合わせた指導ができていない

指導者が新人の理解度を確認せずに教育を進めていると、指導した内容が十分に身につかない場合があります。

とくに、経験豊富な社員にとって当たり前の知識でも、新人にとっては理解が難しいことがあります。たとえば、営業経験のない新人に専門用語を使って商談の進め方を説明しても、内容を理解できず、実際の顧客対応で活用できない可能性があります。

そのため、指導者が一方的に説明するのではなく、新人に学んだ内容を説明してもらったり、実際に業務を任せたりして、理解度を確認する必要があります。

(4)指導内容や新人の習熟状況が記録・共有されていない

OJTで教えた内容や新人の習熟状況が記録・共有されていないと、教育の進捗を把握できず、新人に必要なフォローが遅れる恐れがあります。

とくに、OJTを特定の社員に任せきりにしている場合、担当者以外は教育の進捗を把握できず、問題に気づきにくくなります。たとえば、営業部門で新人教育をベテラン社員に一任していると、管理職は「どこまで商談の進め方を教えたのか」「新人が1人で顧客に提案できるのか」を確認できません。

そのため、指導者に教育を任せきりにするのではなく、教えた内容や新人が習得したスキル、苦手としている業務などを記録し、管理職も確認できる状態にすることが重要です。

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OJTの属人化によって生じる3つの課題

OJTが属人化すると、指導者の経験や知識によって教育内容が偏るほか、新人の評価にばらつきが生じたり、指導者の異動・退職によって教育ノウハウが失われたりする恐れがあります。

以下では、OJTの属人化によって生じる3つの課題を解説します。

(1)指導者の経験や知識によって教育内容が偏る

OJTを特定の社員に任せきりにすると、その社員の経験や得意分野に教育内容が偏り、新人が業務に必要な知識やスキルを十分に習得できない恐れがあります。

たとえば、製造現場で機械の操作に詳しい社員が指導を担当する場合、基本的な操作手順は詳しく教えられても、不良品が発生したときの対応や設備の点検方法については、十分に教えられない可能性があります。

その結果、新人は通常の作業をこなせても、トラブルが発生すると自分で対処できず、周囲の社員に頼らなければならなくなります。このように、指導者の経験に依存した教育では、必要な知識を網羅できず、新人の独り立ちが遅れる場合があります。

(2)新人の評価が指導者の主観に左右される

OJTが属人化すると、新人の習熟度や成長を指導者個人の基準で判断するようになり、評価にばらつきが生じる恐れがあります。

たとえば、データ入力業務の習熟度を評価する場合、ある指導者は「決められた時間内に入力を終えられること」を重視する一方、別の指導者は「入力ミスがないこと」を重視する場合があります。その結果、同じ能力を持つ新人でも、担当する指導者によって評価が異なってしまいます。

こうした状態では、管理職が部署や拠点ごとの新人の習熟度を正確に比較できません。また、評価基準が統一されていないと、新人がどの業務を十分に習得できていないのか判断しづらくなり、必要な追加教育を受けられないまま独り立ちしてしまう可能性もあります。

(3)指導者の異動や退職によって教育ノウハウが失われる

OJTの指導方法やノウハウが特定の社員に集中していると、その社員が異動・退職したときに、これまで培ってきた教育ノウハウが引き継がれなくなる恐れがあります。

たとえば、ベテラン社員が顧客からの問い合わせへの対応方法や、クレームが発生したときの判断基準を口頭だけで教えていたとします。この場合、担当者が異動すると、ほかの社員はどのような内容を教えていたのかわからず、同じ水準で新人を指導できなくなります。

その結果、新たな指導者が教育内容や教え方を一から考える必要が生じ、新人教育に時間がかかってしまいます。また、過去の失敗から得られた教訓も引き継がれず、新人が顧客に誤った案内をするなど、過去と同じ対応ミスが発生する恐れもあるのです。

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自社のOJTに改善が必要か判断する4つのチェック項目

「自社のOJTに改善が必要かわからない」という方も多いのではないでしょうか。そこで、以下では自社のOJTに改善が必要か判断する4つのチェック項目をご紹介します。

(1)教育内容や到達目標が統一されているか

まずは、OJTで教える内容や新人が習得すべきスキルが、部署や拠点ごとに統一されているかを確認しましょう。

たとえば、同じ業務を担当する新人でも、ある支店では商品知識から顧客対応まで教えている一方、別の支店では商品知識しか教えていない場合、教育内容が統一されていないと判断できます。また、「3か月後までに独り立ちする」といった曖昧な目標だけでは、どの業務を習得すべきかわかりません。

そのため、指導者ごとに教育内容が異なっていたり、新人が習得すべきスキルが明確になっていなかったりする場合は、OJTの改善を検討する必要があります。

(2)新人の習熟状況を共通の基準で評価できているか

次に、新人の習熟状況を指導者の主観だけでなく、共通の基準に沿って評価できているか確認しましょう。

たとえば、顧客対応の習熟度を評価するときに、「1人で対応できる」「まだ不安がある」といった指導者の感覚だけで判断している場合は注意が必要です。評価基準が曖昧なままでは、同じ能力の新人でも指導者によって評価が異なり、追加の教育が必要か判断できません。

したがって、評価する項目や合格基準が明確になっておらず、指導者によって新人の評価が異なる場合は、評価方法の見直しが必要です。

(3)指導者が変わっても教育を引き継げるか

OJTを担当する社員が異動・退職した場合でも、ほかの社員が教育を引き継げるか確認しましょう。

たとえば、指導者が休暇を取ったときに、ほかの社員が「新人にどこまで教えたのかわからない」「次に何を教えればよいのか判断できない」という状態であれば、教育が特定の社員に依存している可能性があります。

とくに、教育マニュアルや指導履歴が残されておらず、担当者本人に確認しなければ教育を引き継げない場合は、属人化の改善が必要だと考えられます。

(4)新人が必要な知識やノウハウを自分で確認できるか

最後に、新人が業務でわからないことに直面したとき、指導者に質問しなくても必要な情報を確認できるかチェックしましょう。

たとえば、業務マニュアルや過去の対応事例が指導者のパソコンにしか保存されていない場合、新人は資料を自分で確認できません。また、共有フォルダに資料が保存されていても、保存場所がわからなければ、結局指導者に質問することになります。

そのため、新人が同じ内容を繰り返し質問していたり、必要な資料を自分で見つけられなかったりする場合は、情報の共有・管理方法を見直す必要があります。

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OJTの属人化を解消する4つの改善策

OJTの属人化を解消するには、指導者ごとに異なる教育内容や評価基準を統一し、特定の社員が持つノウハウをほかの社員も活用できる状態にすることが重要です。

以下では、現在のOJTを活かしながら属人化を解消する4つの改善策をご紹介します。

(1)教育計画や評価基準を統一する

OJTの属人化を解消するには、指導者の経験や判断だけに頼らず、組織全体で共通の教育計画や評価基準を設けることが重要です。

具体的には、新人が習得すべき業務を洗い出し、「入社1か月目は基本的な業務手順を覚える」「2か月目は指導者の確認を受けながら業務を進める」など、段階的な教育計画を作成します。また、評価基準も「業務手順を説明できる」「1人でミスなく対応できる」のように、具体的な行動を基準に設定しましょう。

このように、教育内容や評価基準を統一すれば、指導者による教え方や評価のばらつきを減らし、新人の習熟状況を共通の基準で把握できるようになります。

(2)指導ノウハウをマニュアル化し、全支店で共有する

特定の社員に教育が依存しないようにするには、ベテラン社員が持つ知識や指導ノウハウをマニュアルにまとめ、ほかの社員も活用できる状態にしましょう。

たとえば、基本的な業務手順だけでなく、顧客からよく寄せられる質問への回答例や、トラブル発生時の判断基準などもマニュアルにまとめます。また、各支店で指導方法が異なる場合は、成果が出ている教育方法を持ち寄り、共通のマニュアルに反映すると効果的です。

ただし、支店ごとに異なるマニュアルを管理していると、情報が分散し、ほかの支店のノウハウを活用しにくくなります。そのため、マニュアルは全支店で共有できる場所に集約し、誰でも最新の内容を確認できるようにすることが重要です。

(3)指導履歴や新人の習熟状況を記録・共有する

OJTの進捗を指導者以外も把握できるように、教えた内容や新人の習熟状況を記録・共有する仕組みを設けましょう。

具体的には、教育計画に沿って「指導した日付」「習得した業務」「まだ1人では対応できない業務」「次回の指導内容」などを記録します。たとえば、新人が電話対応の基本手順を習得したものの、クレーム対応には不安がある場合、その状況を記録しておけば、管理職も追加の教育が必要だと判断できます。

このように、指導履歴や習熟状況を共有すれば、管理職が教育の遅れに気づきやすくなるほか、指導者が変わっても前任者の記録を基に教育を引き継げるのです。

(4)新人が特定の指導者に頼らず学べる環境を整える

OJTの属人化を解消するには、新人が特定の指導者に頼らず、必要な知識を自分で学べる環境を整えることも重要です。

たとえば、業務マニュアルや過去の対応事例を新人も確認できるようにしておけば、わからないことがあっても、まずは自分で資料を調べられます。これにより、指導者が同じ質問に繰り返し回答する負担を減らせるほか、新人も担当の指導者が不在のときに学習を進められます。

ただし、資料を共有フォルダに保存するだけでは、情報が増えるほど必要な資料を見つけにくくなります。そのため、業務マニュアルや作業ノウハウを一元管理し、新人が必要な情報をすぐに検索できる仕組みを整えましょう。これにより、特定の指導者への依存を減らせます。

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まとめ:OJTの属人化による課題を把握し、自社に合った改善を進めよう

これまで、OJTがうまくいかない原因や属人化による課題、自社のOJTに改善が必要か判断するチェック項目、属人化を解消する4つの改善策を中心にご紹介しました。

OJTが属人化すると、指導者の経験や知識によって教育内容が偏ったり、新人の評価にばらつきが生じたりする恐れがあります。そのため、教育内容や評価基準が統一されているかを確認し、自社のOJTに改善が必要か判断することが重要です。

また、特定の社員への依存を減らすには、指導方法を見直すだけでなく、新人が自分で学べる環境を整えることも重要です。ただし、業務マニュアルや過去の対応事例が複数の場所に分散していると、新人が必要な情報を見つけられず、結局指導者に質問することになります。

そこで、業務マニュアルや作業ノウハウを一元管理し、新人が必要な情報をすぐに検索できる環境を整えましょう。新人がわからないことを自分で調べられるようになれば、指導者への質問を減らし、担当者が不在でも学習を進めやすくなります。

新人が特定の指導者に頼らず、自分で学べる環境を整えたい方は、ぜひ記事内のホワイトペーパーをダウンロードして、教育マニュアルの管理・活用方法を見直す参考にしてください。