属人化防止のチェックリスト10項目!改善すべきか判断する基準と対策
属人化を防止すべきか判断するには、特定の担当者が不在でも業務を進められるか、業務の手順や判断基準が共有されているかなどをチェックリストで確認することが効果的です。とくに、担当者の休暇や退職によって業務が止まる場合は、早急な対策が必要です。
一方、「以前は引き継ぎに苦労したものの、現在は業務が回っているため、改善する必要があるのかわからない」「属人化を防ぐために何から始めればよいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
そのため、まずは自社の属人化の状況を把握し、業務への影響を踏まえて対策の必要性を判断したうえで、適切な防止策を講じることが重要です。
そこで今回は、属人化を確認する10項目のチェックリストや、改善すべきか判断する基準、具体的な防止方法を中心にご紹介します。
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この記事でわかること
- 自社で属人化が発生しているかを、10項目のチェックリストで判断できます。該当数だけでなく、業務への影響を踏まえて判断することが重要です。
- 担当者が不在になると業務が止まる場合は、早急な対策が必要です。一方、担当者以外でも問題なく業務を引き継げる場合は、早急に担当体制を見直す必要性は低いと考えられます。
- 属人化を防止するには、業務の洗い出しやマニュアル化、情報の一元管理、代行できる体制づくりが効果的です。ただし、情報を記録するだけでなく、必要なときに見つけられるようにし、継続的に更新することが重要です。
【10項目】属人化チェックリスト
以下のチェックリストを使って、自社で属人化が発生していないか確認しましょう。
| チェック項目 | 確認するポイント | |
|---|---|---|
| (1) | 特定の社員が不在になると、対応できない業務がある | 担当者が不在になったときに、ほかの社員だけで業務を進められるか |
| (2) | 担当者が不在になったときの代わりの社員が決まっていない | 急な休暇や退職が発生した場合に、誰が業務を引き継ぐのか決まっているか |
| (3) | 引き継ぎ後も、前任者に確認しなければ進められない業務がある | 引き継ぎを受けた社員が、前任者に質問せずに業務を完了できるか |
| (4) | 業務の手順や判断基準が文書化されていない | 業務の進め方や判断に迷ったときの基準が、マニュアルなどに記録されているか |
| (5) | イレギュラーな対応方法や過去の判断理由が記録されていない | 通常と異なる対応が必要になった場合に、過去の事例や判断理由を確認できるか |
| (6) | 必要な資料や対応履歴が、担当者個人のPCやメールに保存されている | 担当者以外の社員も、業務に必要な資料や過去の対応履歴にアクセスできるか |
| (7) | マニュアルが古く、現在の業務手順と一致していない | マニュアルの内容が定期的に見直され、現在の業務手順を反映しているか |
| (8) | 担当者以外の社員が、必要な情報をすぐに見つけられない | 業務に必要な資料やマニュアルの保存場所が明確で、担当者以外でも探せるか |
| (9) | マニュアルを見ても、担当者以外の社員は業務を進められない | マニュアルに沿って作業すれば、担当者以外でも業務を完了できるか |
| (10) | 業務内容が変わったときに、情報を更新・共有するルールがない | 業務手順の変更時に、誰がマニュアルを更新し、どのように社員へ共有するか決まっているか |
チェックリストに当てはまる項目がある場合は、特定の社員に業務が依存していたり、情報共有が不十分だったりする可能性があります。
ただし、該当する項目が多いからといって、必ずしもすべての業務で早急な対策が必要なわけではありません。次の見出しでは、属人化を解消すべきか判断するための基準を解説します。
属人化はどこまで防止すべき?対策が必要なケースとは
特定の社員が中心となって担当している業務があっても、すべての業務で同じように属人化対策を進める必要があるとは限りません。重要なのは、担当者が不在になったときに業務を継続できるか、ほかの社員にどの程度の負担がかかるかを確認することです。
以下では、属人化を放置するリスクも踏まえながら、対策の必要性を3つのケースに分けて解説します。
(1)早急に対策すべきケース:担当者が不在になると業務が止まる
特定の担当者が不在になると業務を進められない場合は、早急に属人化を解消する必要があります。なぜなら、担当者の急な休暇や退職によって、業務そのものが止まってしまう恐れがあるためです。
たとえば、請求書の処理方法を特定の社員しか把握していなければ、その社員が不在になったときに支払いが遅れ、取引先に迷惑をかける可能性があります。また、担当者が退職した場合、業務の進め方を一から調べ直す必要が生じ、通常どおりに業務を進められるようになるまで時間がかかる恐れがあります。
そのため、現在は問題なく業務が進んでいても、担当者がいなくなると業務が止まる状態であれば、優先して対策すべきです。
(2)改善を検討すべきケース:担当者以外では業務に時間がかかる
担当者以外でも業務を進められるものの、通常より時間がかかる場合は、属人化の改善を検討しましょう。業務が完全に止まるわけではありませんが、担当者の不在が続くと、ほかの社員の負担が増えてしまうためです。
たとえば、引き継ぎを受けた社員が業務の進め方を理解していても、過去の対応履歴や判断基準が共有されていなければ、必要な情報を探すたびに時間がかかります。また、確認作業に時間を取られることで、ほかの業務が遅れる可能性もあります。
したがって、担当者以外でも業務を進められる場合は、作業にかかる時間やほかの社員への負担を確認し、必要に応じて改善を進めることが重要です。
(3)早急な対策の必要性が低いケース:担当者以外でも業務を引き継げる
特定の社員が業務を担当していても、ほかの社員が問題なく引き継げる場合は、早急に担当体制を見直す必要性は低いと考えられます。なぜなら、特定の担当者が決まっていること自体が問題ではなく、その社員が不在になると業務を進められなくなることが問題だからです。
たとえば、普段は経験豊富な社員が特定の業務を担当していても、マニュアルや過去の対応履歴が整理されており、ほかの社員が必要に応じて対応できるのであれば、退職や休暇によって業務が止まるリスクを抑えられます。
ただし、引き継ぎができると思っていても、実際には担当者への確認が必要になる場合もあります。そのため、マニュアルを確認するだけでほかの社員が業務を進められるか、定期的に確認しておくと安心です。
業務の属人化を防止する4つの方法
業務の属人化を防止するには、特定の担当者しか知らない手順やノウハウを共有し、ほかの社員でも業務を進められる状態を整えることが重要です。
以下では、業務の属人化を防止する4つの方法をご紹介します。
(1)担当者しか対応できない業務を洗い出す
まずは、社内の業務を洗い出し、特定の担当者しか対応できない業務がないか確認しましょう。なぜなら、属人化している業務を把握しなければ、どこから改善すべきか判断できないためです。
具体的には、業務名・担当者・代わりに対応できる社員・実施頻度などを一覧にまとめます。そのうえで、担当者が不在になったときに業務が止まるものや、ほかの社員では対応に時間がかかるものを確認しましょう。
とくに、担当者の不在によって取引先への支払いや顧客対応が滞るなど、影響が大きい業務から優先して改善することが重要です。
(2)業務の手順や判断基準をマニュアルにまとめる
特定の社員しか把握していない業務の手順や判断基準は、マニュアルにまとめて共有しましょう。業務の進め方を文書化しておけば、担当者が不在になっても、ほかの社員がマニュアルを参考に対応できるためです。
たとえば、請求書の処理業務であれば、作業の順番だけでなく、確認すべき項目や承認が必要な条件、問題が発生したときの対応方法まで記載します。また、過去の判断理由や例外的な対応も残しておけば、似た状況が発生したときに参考にできます。
このように、単に作業手順を記録するのではなく、担当者以外でも迷わず判断できる内容にすることが重要です。
(3)必要な情報を社員が見つけられる場所にまとめる
属人化を防止するには、業務に必要な情報を一元管理し、社員がすぐに見つけられる状態を整えることも重要です。マニュアルや対応履歴を共有していても、保存場所がわからなければ、結局は担当者に確認する必要があるためです。
たとえば、業務マニュアルは共有フォルダ、過去の対応履歴は担当者のメール、判断基準はExcelなど、情報が分散していると、必要な情報を探すだけでも時間がかかります。そのため、情報の保存場所を統一し、業務ごとに分類したり、検索しやすい名前を付けたりしましょう。
また、情報量が多い場合は、キーワード検索で必要なマニュアルや対応履歴をすぐに見つけられるITツールを活用することも効果的です。ただし、機密情報は適切にアクセス権限を設定する必要があります。
(4)担当者以外でも業務を進められる体制を整える
マニュアルや情報の共有だけで終わらせず、担当者以外でも実際に業務を進められる体制を整えましょう。なぜなら、必要な情報がそろっていても、ほかの社員が内容を理解して対応できるとは限らないためです。
具体的には、担当者が不在になったときの代行者を決め、マニュアルを参考に実際の業務を進めてもらいます。そのなかで、手順がわかりづらい箇所や不足している情報が見つかった場合は、マニュアルに追記・修正しましょう。
また、担当者以外の社員が一度対応できたとしても、時間がたつと手順を忘れてしまう可能性があります。そのため、定期的に代行者が業務を担当する機会を設け、継続して対応できる体制を維持しましょう。
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属人化を防止するときによくある3つの失敗
属人化を防止するためにマニュアルを作成したり、情報共有を徹底したりしても、進め方を間違えると十分な効果が得られない場合があります。
以下では、属人化を防止するときによくある3つの失敗と、その対策を解説します。
(1)すべての業務を一度にマニュアル化しようとする
属人化を防止するために、すべての業務を一度にマニュアル化しようとするのは避けましょう。なぜなら、マニュアルの作成に多くの時間がかかり、通常業務を圧迫したり、途中で作成が進まなくなったりする恐れがあるためです。
たとえば、日常的な事務作業から年に数回しか発生しない業務まで、すべての手順を細かく記録しようとすると、作成する社員の負担が増えてしまいます。また、重要度の低い業務から着手してしまい、本来優先すべき業務のマニュアル化が後回しになる可能性もあります。
そのため、最初からすべての業務をマニュアル化しようとせず、対象を絞って少しずつ作成しましょう。また、最初から完璧な内容を目指すのではなく、実際に使用しながら不足している情報を追加していくことが重要です。
(2)一部の社員だけに属人化対策を任せてしまう
属人化の防止を、管理職や特定の社員だけに任せてしまうのも失敗の原因です。なぜなら、実際に業務を担当している社員の知識や経験が十分に共有されず、必要な情報が抜け落ちる可能性があるためです。
たとえば、管理職が中心となって業務マニュアルを作成しても、現場の社員しか知らない注意点や例外的な対応方法までは把握できない場合があります。また、情報共有を担当する社員だけが積極的に取り組んでも、ほかの社員が協力しなければ、社内にある知識やノウハウを十分に集められません。
そのため、属人化対策は一部の社員だけで進めず、実際の業務を担当する社員にも協力してもらうことが重要です。たとえば、各社員が業務で得たノウハウや注意点を共有する機会を設ければ、担当者しか知らない情報を減らせます。
(3)一度作成したマニュアルを更新していない
属人化を防止するために作成したマニュアルは、定期的に内容を見直し、最新の状態に保ちましょう。なぜなら、業務の手順やルールが変わってもマニュアルが更新されていなければ、担当者以外の社員が正しい方法で対応できなくなるためです。
たとえば、社内の申請・承認手順が変更されたにもかかわらず、マニュアルに古い手順が残っていると、後任者が誤った方法で申請する恐れがあります。また、マニュアルの内容が信用されなくなると、社員が確認しなくなり、再び担当者への質問が増える可能性もあります。
そのため、マニュアルの更新担当者を決め、業務内容が変更されたときには必ず内容を修正・共有するルールを設けましょう。また、変更がない場合も定期的に見直すことで、情報が古いまま放置されるのを防げます。
まとめ:チェックリストで属人化を確認し、必要な対策を進めよう
これまで、属人化を確認する10項目のチェックリストや、対策が必要か判断する基準、具体的な防止方法を中心にご紹介しました。
属人化を防止するには、まずチェックリストで自社の状況を確認し、業務への影響を踏まえて対策の優先順位を決めることが重要です。とくに、担当者が不在になると業務が止まる場合は、早急に改善する必要があります。
具体的には、属人化している業務を洗い出したうえで、手順や判断基準をマニュアル化し、担当者以外でも業務を進められる体制を整えましょう。
ただし、マニュアルを作成しても、必要な情報が見つからなければ、結局は担当者に確認する状況が続いてしまいます。そのため、情報を記録するだけでなく、誰でも必要なときに見つけて活用できる仕組みを整えることが重要です。
属人化を防ぐための具体的な進め方を知りたい方は、ぜひ記事内のホワイトペーパーを参考にして、自社に合った属人化対策を進めましょう。
