引き継ぎ資料の作り方5ステップ!コツ・管理方法を解説
異動や昇進などで業務を引き継ぐことになり、「担当している業務が多く、何からまとめればよいのかわからない」「後任者が困らないようにしたいものの、何をどこまで書けばよいのかわからない」と悩む方も多いのではないでしょうか。
引き継ぎ資料を作るには、まず担当している顧客や業務を洗い出し、引き継ぐ情報の優先順位を決めることが重要です。そのうえで、業務の手順や現在の対応状況、今後の予定などを整理すると、後任者が必要な情報を把握しやすくなります。
ただし、業務の手順をまとめるだけでは、後任者が対応に迷う場合があります。そのため、過去の対応経緯や判断理由、注意点まで記載し、引き継ぎ後も必要な情報をすぐに確認できる状態にしておくことが大切です。
そこで今回は、引き継ぎ資料の作り方5ステップや記載すべき7つの項目、わかりやすい資料を作成するコツを中心にご紹介します。また、引き継ぎ資料を作った後に起こりがちな問題も解説します。
-
この記事でわかること
- 引き継ぎ資料は、担当業務の洗い出し、優先順位の決定、資料作成、後任者との確認、保存場所の決定という5ステップで作成します。
- 顧客名や連絡先だけでなく、進行中の案件や対応履歴、過去の判断理由まで記載すると、後任者が迷わず業務を進めやすくなります。
- 引き継ぎ資料を作成しても、必要な情報が見つからなければ活用されません。そのため、資料を一元管理し、後任者が必要な情報をすぐに探せる仕組みが重要です。
【5ステップ】引き継ぎ資料の作り方
ここでは、引き継ぎ資料の作り方をご紹介します。以下の5ステップに沿って進めれば、引き継ぐ情報の抜け漏れを防ぎ、後任者が業務を進めやすい資料を作れるため必見です。
ステップ1|引き継ぐ顧客や業務をすべて洗い出す
まずは、現在担当している顧客や業務をすべて洗い出しましょう。なぜなら、最初に引き継ぎの対象を明確にしなければ、資料を作成する過程で重要な情報が抜け落ちる可能性があるためです。
そこで、営業担当者であれば、担当顧客や進行中の案件だけでなく、定期的な訪問、問い合わせ対応、社内への報告業務なども洗い出します。また、毎日発生する業務だけでなく、月末の報告や契約更新など、特定の時期に発生する業務も忘れずに確認しましょう。
このように、日常的な業務から不定期に発生する業務まで整理しておくと、引き継ぐべき情報を把握しやすくなります。
ステップ2|引き継ぐ情報の優先順位を決める
次に、洗い出した顧客や業務について、引き継ぐ情報の優先順位を決めましょう。すべての情報を同じ順番で引き継ぐと、後任者が最初に確認すべき内容を判断しづらくなるためです。
たとえば、翌週に商談を控えている顧客や、対応期限が迫っている案件は、優先的に引き継ぐ必要があります。一方、対応が完了している案件や、数か月後に予定されている定例業務などは、後から確認できるように整理しておく方法もあります。
そのため、対応期限の近さや業務の重要度を基準に優先順位を決め、後任者が着任後すぐに対応すべき業務を明確にしましょう。
ステップ3|必要な項目に沿って引き継ぎ資料を作成する
引き継ぐ情報を整理できたら、必要な項目に沿って資料を作成しましょう。あらかじめ記載する項目を決めておけば、情報の抜け漏れを防ぎ、後任者も内容を確認しやすくなります。
たとえば、顧客を引き継ぐ場合は、「顧客名」「担当者の連絡先」「現在の対応状況」「次に対応すべきこと」などの項目を設けます。また、業務の進め方を引き継ぐ場合は、作業の手順や使用する資料、対応時の注意点などを記載しましょう。
なお、複数の顧客や業務について資料を作成する場合は、記載する項目を統一すると、情報の抜け漏れや記載内容のばらつきを防げます。
ステップ4|後任者と資料を確認し、不足している情報を補う
引き継ぎ資料を作成したら、後任者と一緒に内容を確認しましょう。前任者にとっては当たり前の業務でも、初めて担当する後任者には、資料の説明だけでは理解できない部分があるためです。
たとえば、顧客対応の流れを説明するときは、資料を見ながら実際の対応手順を確認し、不明点がないか質問してもらいます。その結果、「問い合わせの内容によって連絡先が異なる」「過去の提案資料の保存場所がわからない」といった疑問が出た場合は、回答を資料に追記しましょう。
このように、後任者が資料だけを見て業務を進められるか確認し、不足している情報を補うことが重要です。
ステップ5|資料の保存場所と共有方法を決める
最後に、引き継ぎ資料の保存場所と共有方法を決めましょう。資料を作成しても、後任者が必要なときに見つけられなければ、前任者への確認が発生したり、業務が滞ったりする可能性があるためです。
引き継ぎ資料のおもな保存・共有方法には、以下の選択肢があります。
- 紙に印刷して渡す: 後任者が直接書き込みながら確認できる一方、紛失するリスクがあり、離れた場所からは確認できません。
- Word・Excelの資料をメールやチャットで送る: 後任者にすぐ共有できる一方、ほかの連絡に埋もれると、後から探しづらくなります。
- Word・Excelの資料を共有フォルダに保存する: 複数の社員が同じ資料を確認できる一方、ファイルが増えると目的の資料を探すのに時間がかかります。
- 情報共有ツールで管理する: 引き継ぎ資料を一元管理し、検索機能で必要な情報を探しやすくなる一方、導入費用や運用ルールの整備が必要です。
このように、それぞれの方法にメリット・デメリットがあるため、引き継ぐ資料の量や利用する人数を踏まえ、後任者が必要な情報をすぐに確認できる方法を選びましょう。
無料ホワイトペーパーを配布中
引き継ぎ資料に記載すべき7つの項目
引き継ぎ資料には、後任者が担当する業務の内容や進め方、現在の対応状況などを記載する必要があります。必要な情報が抜けていると、後任者が業務を進められず、前任者への確認が発生する可能性があるためです。
具体的には、以下の7つの項目を記載しましょう。
| 項目 | 記載する内容 | 具体例 |
|---|---|---|
| (1)担当業務の概要 | 担当している業務の内容や目的、基本的な進め方 | 代理店への商品案内、問い合わせ対応、月次の販売状況の確認 |
| (2)顧客・取引先の情報 | 顧客名や担当者の連絡先、取引内容 | A代理店、営業担当のBさん、電話番号、取り扱い商品 |
| (3)現在の対応状況 | 進行中の案件や対応済みの内容、残っている作業 | 新商品の提案が完了し、現在は顧客からの回答待ち |
| (4)今後の予定・期限 | 今後の訪問予定や対応期限、優先して取り組む業務 | 翌月10日までに見積書を提出、15日に顧客を訪問予定 |
| (5)対応履歴・注意点 | 過去の対応内容や判断理由、顧客ごとの要望や注意事項 | 過去に料金面で懸念を示されたため、提案時は費用の内訳を詳しく説明する |
| (6)問い合わせ先・関係者 | 業務で不明点が生じたときの相談先や関係部署 | 契約内容の確認は契約管理部、商品に関する質問は商品企画部へ連絡 |
| (7)関連資料の保存先 | 業務に必要なマニュアルや過去の資料の保存場所 | 過去の提案書は社内の共有フォルダ「営業部>顧客別>A代理店」に保存 |
とくに、進行中の案件や対応履歴は、後任者が次に何をすべきか判断するために重要な情報です。そのため、単に「対応中」と記載するのではなく、どこまで対応が完了しているのか、次に何をすべきかまで具体的に記載しましょう。
なお、記載する項目は業務内容によって異なります。上記の7項目を基本に、後任者が必要とする情報を追加・調整することが大切です。
わかりやすい引き継ぎ資料を作成する3つのコツ
引き継ぎ資料は、必要な情報を記載するだけでなく、後任者が内容を理解し、業務に活用できるように作成することが重要です。ここでは、わかりやすい引き継ぎ資料を作成するための3つのコツを解説します。
(1)初めて業務を担当する人でもわかる言葉で書く
引き継ぎ資料は、初めて業務を担当する人でも理解できるように、専門用語や社内独自の略語をできるだけ使わずに書きましょう。前任者には当たり前の言葉でも、後任者には意味が伝わらない場合があるためです。
たとえば、「月末に定例報告を実施する」とだけ書くのではなく、「毎月末に販売実績をExcelにまとめ、営業部長にメールで提出する」のように、具体的な作業内容や提出先まで記載します。また、専門用語を使う必要がある場合は、その意味も補足しましょう。
このように、誰が読んでも同じように理解できる表現を使うことで、後任者が前任者に確認する手間を減らせます。
(2)図や画像を使って視覚的にわかりやすくする
文章だけでは説明しづらい業務は、図や画像を活用して視覚的にわかりやすくしましょう。とくに、複数の手順がある業務やシステムの操作方法は、文章だけで説明すると、後任者が作業の流れを理解しづらくなるためです。
たとえば、社内システムへのデータ入力方法を引き継ぐ場合、実際の操作画面のスクリーンショットを掲載し、クリックする箇所や入力項目を矢印で示します。また、複数の部署が関わる業務は、フローチャートを使って作業の順番や担当部署を整理すると、全体の流れを把握しやすくなります。
ただし、図や画像を載せるだけでは、何を示しているのかわからない場合もあります。そのため、図や画像には簡単な説明を添え、後任者が迷わず作業できるようにしましょう。
(3)顧客や業務ごとに情報を整理する
引き継ぐ情報が多い場合は、顧客や業務ごとに内容を整理しましょう。すべての情報を1つの資料にまとめてしまうと、後任者が必要な情報を探しづらくなるためです。
たとえば、複数の顧客を担当している場合は、顧客ごとに「基本情報」「対応履歴」「今後の予定」をまとめます。また、顧客対応とは別に、月次報告や経費精算などの社内業務についても、それぞれ資料を分けると、確認したい情報を見つけやすくなります。
さらに、資料の冒頭に目次を設けたり、各項目に見出しを付けたりすることも効果的です。後任者が資料を最初から読み直さなくても、必要な情報を確認できる構成を意識しましょう。
引き継ぎ資料を作った後に起こりがちな問題とは
引き継ぎ資料を作成しただけでは、引き継ぎが完了したとは言えません。ここでは、引き継ぎ資料を作った後に起こりがちな2つの問題を解説します。
(1)資料だけでは疑問を解決できず、前任者への確認が続く
引き継ぎ資料を渡すだけで引き継ぎを終えると、後任者が疑問を解決できず、前任者への確認が続く場合があります。なぜなら、すべての業務や想定される対応を資料に記載するのは難しいためです。
たとえば、顧客ごとに対応方法が異なる場合、資料に記載された手順だけでは、後任者が適切に判断できないことがあります。そのため、資料を見ながら前任者が口頭で過去の対応経緯や注意点を説明し、後任者が質問できる時間を設けましょう。
また、口頭で説明した内容も資料に追記しておけば、後任者が後から見返せます。このように、資料を渡して終わりにするのではなく、必要な情報は口頭でも伝え、後任者の疑問を解消することが重要です。
(2)必要な資料がどこにあるのかわからない
引き継ぎ資料を作成しても、必要な資料がどこにあるのかわからず、探すのに時間がかかる場合があります。とくに、担当する顧客や業務が多い場合は、資料の数が増えるため、保存場所を把握しづらいです。
たとえば、WordやExcelで作成した引き継ぎ資料を複数の共有フォルダに保存していると、後任者は目的の資料を探すためにフォルダを一つずつ確認しなければなりません。また、メールで送られた資料と共有フォルダ内の資料が分かれていると、必要な情報を見つけるまでに時間がかかります。
そのため、引き継ぎ資料の保存場所を統一するだけでなく、顧客名や業務名で検索し、必要な情報をすぐに見つけられる環境を整えることが大切です。
無料ホワイトペーパーを配布中
引き継ぎ資料の作り方まとめ
これまで、引き継ぎ資料の作り方5ステップや記載すべき7つの項目、わかりやすい資料を作成するコツを中心にご紹介しました。
引き継ぎ資料を作成するときは、担当している顧客や業務を洗い出し、優先順位を決めたうえで、必要な情報を整理しましょう。また、資料を渡すだけでなく、必要に応じて口頭でも説明し、後任者の疑問を解消することが重要です。
ただし、引き継ぎ資料が複数のフォルダに分散していると、後任者が必要な情報を探すのに時間がかかります。そのため、資料を一元管理し、必要な情報をすぐに見つけられる仕組みを整えることが大切です。
「引き継ぎ資料が複数の場所に分散している」「担当者が変わるたびに資料を作り直している」という方は、ぜひお役立ち資料を参考に、引き継ぎに必要な情報を整理・共有する仕組みを整えましょう。
